年金制度は破綻する?心配されている理由と「しない」という根拠とは

年金制度は破綻するのではないかといわれており、不安に思っている方はとても多いです。一方で、破綻しないという意見もあります。破綻するといわれている理由や破綻しないといわれている根拠を知った上で、今の年金情報や今後の動向をよく確認しましょう。

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公的年金制度の破綻が心配されている理由

他の国でも破綻している所があるため


老後の収入として期待するのが公的年金。しかし、日本の公的年金制度に対して、国民の信頼はそれほど高くはありません。特に若い世代では、「自分は年金がもらえない」と思っている方は非常に多いです。年金に対して不安を抱いている方に対して、マスコミや金融機関も公的年金制度の破綻に対する不安を煽っています。

どうして公的年金制度の破綻が心配されているのかというと、その理由の1つが他の国でも破綻している所があるから。最近の事例でいうと、2001年にアルゼンチン、1998年にロシア、1985年に南アフリカ、1983年にフィリピン、1983年にブラジル、1982年にメキシコと、5年〜10年おきくらいに他の国が経済破綻の危機に陥っています。

積立方式ではないから

今の年金給付は現役の世代が支払う年金保険料を、そのときの年金受給者へそのまま年金として支払う「賦課方式」という方法。この賦課方式により、世代間扶養を実現することができます。

積立方式とは、将来自分が年金を受け取る際に必要となる財源を現役世代の間に積み立てておく方式のこと。年金は歴史的にもともと積み立て方式から始まりました。しかし、それがインフレによって役割を果たせなくなり、積み立て方式ではなくなったのです。積立方式はもらえる額が少なくなる可能性はありますが、年金制度が破綻する可能性は低いといえるでしょう。

未納者がいるから

保険料の未納者がいると、年金の給付に必要な財源が不足してしまいます。未納者は全体の5〜7%程になっており、このことが原因で年金制度が破綻するといわれているのです。

年金未納者が増えたことで、年金受給者を支える立場である現役世代の負担がどんどん大きくなっていることも、公的年金制度が破綻するといわれている原因に。しかし、年金保険料負担者全体でみると、未納者が増えたとしても微々たるものなので、未納者が増えたからといって必ずしも破綻するということではありません。

年金未納問題について

被保険者及び連帯納付義務者(配偶者や世帯主等)に十分な収入がありながら、保険料が長期間未納になっている被保険者には、「強制徴収」が行われます。度重なる納付催告に応じない未納者には「最終催告状」が送付され、指定期限までに納付がなければ「催促状」が送られてきます。

催促状の指定期限までに納付がない場合は「財政調査」が行われ、「差押予告」を送付。その指定期限までに納付がなければ、「財産差押」が執行されます。

未納者は今すぐ納めないと将来困る

未納者が増えたことで公的年金制度が破綻するなら、自分も保険料を納めなくてもいいと思っている方は、そのまま納めないと将来困ってしまう可能性が高いです。なぜなら老後は、年金によって生活することになるからです。

生活できなくなったら、生活保護を受ければいいという考えもよくありません。生活保護を受けるとなると制限を受けながら生活するため、想像以上に大変なのです。

少子高齢化が進んでいるから

日本では少子高齢化が急速に進んでいます。賦課方式のもとで年金の収支のバランスを取ろうとすると、短期間のうちに年金支出額が減少し、保険料負担額の増加を進めなければいけません。すると日常生活や、経済活動に大きな影響を及ぼしてしまいます。

このまま少子高齢化が進むと、公的年金制度の破綻を心配し、年金がもらえない世代だと考える若者が増加。そして保険料を払わなくなってしまうという悪循環を招いてしまうこともあるのです。

対応策として保険料以外の財源を用意

日本の公的年金制度では、公的年金制度の破綻を避けるための対応策として、保険料以外の財源を2つ用意。そのうちの1つが税金で、公的年金のうちの国民年金(基礎年金)の半分が消費税によって賄われています。年齢に関係なく、購買力に応じて全国民が消費税として財源を負担し、年金制度を支えているのです。

2つ目は積立金。高齢化を見通して保険料を積み立てておき、その運用収益により財源の一部を確保します。さらに高齢化が進んだ局面で、積立金を取り崩して年金の支払いを賄うことにしているのです。

支給開始年齢が上がっているから

年金の支給開始年齢は60歳〜70歳の間で、支給開始年齢を自分で選択できます。標準年齢は65歳からですが、繰り上げて60歳からでも、繰り下げて70歳からでも受け取り可能です。

70歳まで働くことができれば、労働収入も加わるので、支給開始年齢を上げたほうがお得になる可能性があり、生活水準を高く維持できます。しかし支給開始年齢が上がっていることが原因で、公的年金制度が破綻するともいわれているのです。実際のところ、年金支給開始年齢の引き上げが求められているのは、労働意欲を高めるためなので、年金破綻とはあまり関係がないといえるでしょう。

マスコミが不安を煽るから

マスコミは盛んに、そのうち年金は破綻すると煽っています。これが国民が年金に対して、不安を抱いてしまった原因のひとつでもあります。最近では年金の破綻や、老後不安が起こるということを取り上げるマスコミも多くなってきました。

マスコミだけでなく、金融機関の営業担当者も公的年金保険が破綻するという不安を煽ってきます。マスコミや金融機関の話に惑わされず、年金制度の財政がどうなっているかなど、基本的な知識を身につけておくことが大切です。

年金制度が破綻しないと言える根拠

財政検証でシュミレーションされている


国の年金制度の将来を予測するために、5年に1度財政検証でシミュレーションをしています。つまり、国の年金制度の人間ドックを行っているようなものです。さまざまな前提を踏まえてシミュレーションをすることで、年金制度の将来性を予測しています。

この財政検証によるシミュレーションで年金財政が健全かどうか、見直しが必要なのはどこかを定期的にチェックしているため、年金制度が破綻することはないといわれているのです。出生率の変動、長寿化・少子高齢化の進展、現役世代の賃金上昇、労働者の割合や年齢の変化、物価の言動、運用環境の変化など、たくさんの要素が絡み合い、年金制度が成り立っています。それらの要素が年金制度に影響を及ぼし破綻になるような状況にならないかをチェックする必要があるのです。

年金給付水準が引き下げられている

年金給付水準が引き下げられていますが、国の年金給付水準には自動調整のような「マクロ経済スライド」という、年金額を調整する仕組みが織り込まれています。簡単にいうと、年金給付と保険料負担のバランスが取れるようになるという仕組みです。

破綻するリスクが近づいてきたら、年金制度が破綻しないように年金を引き下げて自動調整されます。財政が厳しくなれば年金水準を財政に合わせて引き下げてしまうため、国の年金は簡単には破綻できないといわれているのです。最近では、予想よりも出生率が若干高くなっていることから、当初予定より年金水準を下げずにすむと見込まれており、ますます破綻するリスクは低くなっています。

マクロ経済スライドについて

マクロ経済スライドは、平成16年の年金制度改正により導入されました。賃金や物価の改定率を調整することで、緩やかに年金の給付水準を調整することを目的にした仕組みです。将来の現役世代の負担が多くならないように、最終的な保険料の負担の水準を定めて、保険料等の収入と年金給付等の支出のバランスが保てるように、時間をかけて緩やかに年金の給付水準を調整します。

賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出された「スライド調整率」を差し引いて、年金の給付水準を調整します。以下が具体的な例です。

☑1. 賃金・物価の上昇率が大きい場合→マクロ経済スライドによって調整され、年金額の上昇は調整率の分だけ抑制される。
☑2. 賃金・物価の上昇率が小さい場合→賃金・物価の上昇率が小さくマクロ経済スライドによる調整をすると年金額がマイナスになってしまう場合、年金額の改定が行われない。
☑3. 賃金・物価が下落した場合→賃金・物価が下落した場合は、マクロ経済スライドによる調整が行われない。年金額は賃金・物価の下落分のみ引き下げとなる。

賊課方式はインフレで安定する

年金制度には、積立方式と賦課方式があります。積立方式はインフレにより積み立てたお金の「実質的な価値」が目減りしてしまう可能性がありますが、賦課方式の場合はインフレで安定します。実質的な価値とは、決まった額ではなく、物価や所得水準に応じた経済的な価値のことです。

賦課方式は、物価水準や生活水準の変化があったとき、集める税金や社会保険料の金額や支払う年金の額を調整することで、インフレや生活水準の変化等に対応することができます。その時の現役世代の社会保険料や、税金をもとにして高齢者世代に対して年金の支払を行うので、インフレや給与水準の変化に対応しやすく価値が目減りしにくいのです。

経済成長率が上がっている

経済データによると、物価上昇率は不十分ではありますが、実質経済成長率は悪くありません。経済成長率が上がっているということは、1人あたりの支える力が強くなるということなので、年金は破綻しないといえます。逆にいうと、経済成長率が下がると年金制度の維持が難しいともいえるでしょう。そのため、現行の公的年金制度を維持することは難しいといわれているのです。

公的年金制度を維持するために、将来年金の受給額が減らされて、現役層が納める保険料率がさらに上がり、年金受給開始年齢が繰り下げられることも想定されます。実際、厚生年金の保険料率は、毎年段階的に引き上げられていて、平成29年9月以降は、保険料率が18.30%(労使で折半)で固定されることになっています。

年金が破綻するときは日本も破綻する

年金が破綻するときは日本が破綻したとき。国の制度として考えたときに、年金制度だけが破綻するというのは非現実的だといえるでしょう。

国は国民の老後を支えるため、もし公的年金が亡くなってしまったら生活保護費を支払うことになります。生活保護は全額税金を財源としているので、国民が納めた保険料と税金で給付を賄っている年金制度を維持したほうが国にとっては合理的。そのため、年金制度が破綻するのは、日本も破綻したときということになるのです。

年金情報には注意深くアンテナを張ろう


年金制度は破綻すると不安に思う人もいれば、絶対に破綻しないという人もいます。両極端な情報ではありますが、破綻するかもしれないと心配するのには年金未納問題や少子高齢化などの理由があり、一方で絶対に破綻しないという言い分にも根拠があるのです。

年金の情報は経済状況などさまざまな影響を受けて変動しています。年金破綻のリスクについて知るため、年金情報には注意深くアンテナを張るようにしましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。