膵臓がんの治療費はどれくらいかかるの?自己負担を抑える方法とは

膵臓がんはがんの王様ともいわれ、治療費も手術や投薬などさまざまあり高額になりがちです。膵臓がんの治療費が高くつきがちな理由と、具体的な治療費の目安を知って、もしもの時に備えましょう。また、自己負担を減らすための方法なども見ていきましょう。

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膵臓がんの治療費が高額になる理由

完治するには外科手術が必要

手術によってがんに侵された部分を完全に取り除くことが、膵臓がんを完治させる唯一の方法です。膵臓がんは抗がん剤の効きも比較的悪いがんであるため、手術による治療がより重要になってきます。 がんの進行程度やがんが発生した位置によって何通りかの手術の方法があります。膵頭部(膵臓の上半分)と十二指腸は取るが胃を全部残せる手術、膵頭部と一緒に十二指腸と胆嚢・胆管、胃の一部も摘出する手術、膵尾部(膵臓の下半分)と脾臓を一緒に取る手術、そして膵臓全部と胃腸の一部、脾臓や胆嚢を切除する手術があります。 ただし、手術を行えるのは一般的にステージⅡまでとされており、それ以上進行した膵臓がんに対しては、延命効果があまり期待できないため、手術を控えることが多いようです。

外科手術にかかる費用の目安

手術の費用は、膵頭部の切除手術でおよそ80万円、膵体部や膵尾部の切除手術でおよそ50万円ほどかかります。膵頭部の手術の方が、多くの器官を巻き込み規模が大きくなるため、入院日数も長くなる傾向にあります。 手術後に再発防止を目的として化学療法が行われることがあります。膵臓がんによく使われるゲムシタビンという薬の場合、4週間10万円のコースを6回受けるのが標準的です。そのため、手術後さらに60万円ほどの費用がかかることになります。

手術には高度な技術を要する

膵臓がんの手術は、大がかりになる傾向があり、とくに難しい手術といえます。膵臓がんは早期であっても、胆管や十二指腸、胃などを巻き込む大規模な手術になりがちです。そのうえ、近くに大きな血管が流れているため、高度な技術が必要とされます。 ある程度進行した膵臓がんの場合はとくに、大きくて設備の整った病院で、豊かな経験と高い技術を持った専門の医師が手術を行うケースが多いです。

小さな臓器のため進行が早い

膵臓は、とても小さな臓器です。小さながんでも、あっという間に膵臓全体に浸潤し、ほかの部位にも影響を及ぼし始めます。また、膵臓の働きは血糖値や消化に関わる作用であるため、食べ物を食べるたびに膵臓が活発に働くことも、がんの進行の早さと関係しているといわれています。 このように進行が早いため、どうしても発見が遅れやすく、見つかった時にはもう手術も行えないほど進行していることも多いようです。実際、膵臓がんが見つかっても手術できる人は2割〜3割程度といわれています。 膵臓は胃や腸と違って中が空洞ではないため、カメラを入れるわけにはいきません。また、体の奥深く、ほかの内臓に隠れるような位置にあるため、細胞を採取しての検査も困難です。この検査のしにくさも、膵臓がんの発見が遅れやすい理由の1つといえるでしょう。 膵臓がんの症状が食欲減退、腹痛、黄疸、体重減少など、ほかの病気でも現れるような症状ばかりであることも、発見が遅れる原因となっています。しかも、症状が現れた時点では膵臓がんがもうすでにかなり進行しており、ほかの臓器に転移していることも少なくありません。

転移しやすい

膵臓は血管や神経、リンパ管などに取り巻かれています。そのため、がん細胞が血流やリンパ液に乗って身体のほかの部分に運ばれ、転移を起こしやすいのです。 膵臓がんが、ステージでも進行がんに分類されるのは、この転移しやすさのためです。ステージの膵臓がんの5年生存率が60%に達しないという悪性度の高さからも、がんの王様と呼ばれることがあります。

先進医療が受けられる

膵臓がんは、病巣をピンポイントで破壊できる重粒子線治療や陽子線治療などの先進医療の適応となっています。費用は1回300万円以上かかります。

自己負担を抑えるには

高度療養費制度を利用する

高度療養費制度とは、1ヶ月あたり定められた上限までしか医療費がかからない日本のシステムです。年齢や所得により上限額が定められますが、それを超えた分の差額は免除されます。 たとえば、70歳未満の一般所得者の場合、上限額は8万円〜9万円程度になります。一方、70歳以上の場合、44,000円となっています。つまりこの場合、たとえ治療に45,000円かかっても、50万円かかっても、100万円かかっても、払うのは44,000円です。これは治療ごとではなく月ごとの計算ですので、同じ治療でも月をまたいだ場合は改めて支払いをする必要があります。

初期の段階で治療する

早期発見、早期治療は健康の回復だけでなく、治療費用を抑える上でも基本です。一般的に、病状が進めば進むほど、必要な手術は大規模になり、治療期間は長くなっていくため、それだけ費用がかさみます。膵臓がんを初期の段階で発見・治療するために行えることを3つ挙げますので、参考にしてください。

自覚症状に敏感になろう

肝臓とならんで「沈黙の臓器」と呼ばれる膵臓は、不調でも自覚症状が出にくく、これも膵臓がんの発見が遅れる一因となっています。しかし一方で、膵臓がんが見つかった人のうち多くが、初期の頃を振り返ると原因不明のお腹や背中の痛みがあったことを認めています。少しでも気になったら、早めに検査するようにしましょう。 また、比較的分かりやすい症状のひとつに、黄疸があります。とくに膵頭部のがんの場合に、白目が黄色くなる、尿がチョコレート色になる、逆に便は白っぽくなるなどの症状が現れることがあります。これは膵臓がんが増殖し、胆管を圧迫することで起こる症状です。思い当たることがあれば軽視せず、すぐに受診を検討しましょう。診療科目は内科、または消化器科です。

人間ドックなどで検査を受けよう

膵臓がんの検査は、一般的な自治体などの検診には含まれていません。40代、50代からは、自分で人間ドックを受けるなどして膵臓がんのリスクをチェックすることが必要です。医療機関によっては、独自の膵臓検査メニューを設定していることもあります。かかりつけの内科や消化器科に尋ねてみるとよいでしょう。たいていの場合、腫瘍マーカー、CT検査、超音波検査などがセットになっています。 膵臓がんの早期発見だけでなく、膵臓がんになりやすいことがわかっている要素を持っているかどうかもチェックできます。例えば、主膵管の太さが2.5ミリ以上ある人は、膵臓がんを発症するリスクが高まることが分かっています。きちんと検査を受けることで、自分のリスクを把握し、早期発見につなげることが可能です。

家族に膵臓がん歴のある人は膵臓学会に登録しよう

膵臓がんには、遺伝的な要素も関係しています。そのため、家族に膵臓がんになった人がいる場合は、一層の注意が必要です。 日本膵臓学会が実施している登録制度は、家族に膵臓がんの人がいる人を対象に、定期的な検査を受けられるようにする制度です。また同時に、検査データが学会の研究を通して膵臓がんの治療法の開発に役立てられます。

保険に加入しておく

がんが発見されてからでは、保険に加入することはできません。健康上の問題が何もないうちにがん保険の加入を検討しておくと、もしもの時に助かります。自分のリスクを把握した上で、とくに心配な分野をカバーできる保険を選ぶのがおすすめです。先進医療や、再発に対する保障についてもチェックしておきましょう。

もしものために備えよう

自分や家族が膵臓がんなどの病気にかかるとは考えにくいことですし、考えたくないことです。しかし、前向きな考え方とはよくない可能性に目をつぶることではありません。むしろ、もしものための備えがあってこそ将来に前向きに向き合えるのではないでしょうか。 膵臓がんについて正しい知識を身につけ、自己負担を抑えるために利用可能な制度を利用し、早期発見に努め、保険加入を検討しましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。