年末調整では、個人年金も申告。忘れずに対応して控除を受けよう

会社員の方であれば、多くの方が実施する年末調整。最近加入者も増えてきている、個人年金の申告を忘れてはいませんか。 年末の忙しい時期でもスムーズに対応できるよう、個人年金の年末調整方法を確認しておきましょう。

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年末調整で控除対象の個人年金の条件

年金受取人が契約者本人か配偶者の契約

最近では、老後の資金形成のため、国民年金や厚生年金等だけではなく、個人年金保険に加入されている方も多いのではないでしょうか。また、会社員の方であれば、12月には年末調整を行われる方も多いかと思います。 本年中に支払った個人年金保険料は、年末調整時の所得控除対象となります。ただし、年末調整で控除対象となる個人年金の契約には、いくつか条件があります。 まずは、個人年金の年金受取人が契約者本人か配偶者の契約になっていること。他の人物を受取人としていた場合、控除対象にはできなくなってしまうので注意しなくてはなりません。万が一受取人がわからない場合は、保管している保険証書を確認するようにしましょう。 さらに、受取人と個人年金の被保険者(保障の対象者)が同一である必要もあります。よって、所得控除の対象となる契約は、下記2つの場合となります。(夫と妻が逆の場合も同様) ☑夫が契約者で夫が被保険者かつ受取人 ☑夫が契約者で妻が被保険者かつ受取人 なお、後者の場合には、所得控除の対象とはなりますが、年金受取時に贈与税がかかります。

保険料を10年以上定期的に支払う契約

さらに、保険料を10年以上定期的に支払う契約であることも条件となります。 つまり、一時払いのような年金支払い方法であったり、保険料支払期間が10年未満となる契約内容の個人年金は、控除対象とすることができません。 たとえば、60歳まで支払う契約の個人年金を50歳の誕生日以降に契約した場合、保険料支払期間は10年未満となるため、所得控除対象とはなりません。

年金の受取が満60歳以降の契約

最後の条件は、年金の受取が満60歳以降の契約であること。さらに、年金の受給期間が10年以上であることです。 たとえ年金の受取時期が満60歳以降であっても、年金の受給期間が5年等の契約内容であった場合、控除の対象とはならないため、注意が必要です。 今まで述べた条件をすべて満たす契約であった場合、個人型年金として支払った保険料を、控除対象として年末調整で申告することが可能となります。

個人年金の年末調整の控除額の違い

平成23年12月31日以前の旧契約なら最高5万円

個人年金の年末調整の控除額には上限があります。また、個人年金の契約時期によって控除額の上限が異なってきますので、注意が必要です。 個人年金の支払保険料は、年末調整上「生命保険料控除」にて控除することができます。 生命保険料控除は、「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護医療保険料(平成24年1月1日以降新設)」に区分され、個人年金は「個人年金保険料」に分類されます。 平成23年12月31日以前の旧契約の場合、所得税において控除額として計上できる支払保険料の上限は、「一般の生命保険料」「個人年金保険料」それぞれ、最高5万円となります。なお、介護医療保険料は、新設前のためありません。 また、年末調整の対象ではありませんが、住民税において控除額として計上できる支払保険料の上限もあります。「一般の生命保険料」「個人年金保険料」それぞれ、最高3万5千円となります。こちらも、介護医療保険料はありません。

平成24年1月1日以後の新契約なら最高4万円

介護医療保険料が新設された、平成24年1月1日以降の新契約の場合を確認しましょう。 所得税において控除額として計上できる支払保険料の上限は、「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護医療保険料」それぞれ、最高4万円となります。 個人年金単独で見た場合、旧契約よりも最大の控除額が少なくなっていますが、「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護医療保険料」全て控除対象となる場合、最大の控除額は12万円となるため、旧契約よりも控除額が増えています。 こちらも年末調整の対象ではありませんが、住民税において控除額として計上できる支払保険料の上限は、「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護医療保険料」それぞれ、最高2万8千円となります。

新旧両方に加入している場合

人によっては、個人年金に複数加入している方もいらっしゃることでしょう。それでは、平成23年12月31日以前の旧契約、および平成24年1月1日以降の新契約の両方に加入している場合の控除額はどのようになるのでしょうか。 この場合、次のいずれかを選択して、控除申請することができます。 ☑1.新契約のみ生命保険料控除を適用(控除額は最高4万円) ☑2.旧契約のみ生命保険料控除を適用(控除額最高5万円) ☑3.新契約と旧契約の双方について生命保険料控除を適用(新契約と旧契約それぞれ算出した控除額の合計額となるが、控除額は最大4万円) つまり、上記の「3」を選択した場合には、控除額が新契約の4万円+旧契約の5万円=合計9万円とできるわけではありません。 そのため、それぞれの場合を計算し、最も控除額が大きくなる適用方法を選択するとよいでしょう。

個人年金の年末調整の書き方

控除証明書を見て契約概要を転記

実際に個人年金の支払額および控除額を、年末調整で申告する際の書き方を確認しましょう。 まずは、個人年金の控除証明書を確認します。控除証明書は、毎年10月ごろに郵送されます。 (初回の掛金の払込が10月以降であった場合は翌年1月に郵送) 年末調整用紙の「生命保険料控除」欄に、「個人年金保険料」の欄があります。ここに、契約概要を転記します。 「保険会社等の名称」「保険等の種類」「保険機関又は年金払込期間」「保険等の契約者の氏名」「保険金等の受取人(氏名・あなたとの続柄)」「新・旧の区分」を転記しましょう。

申告書の指示にしたがい保険料の合計額を記入

次に、本年中に支払った保険料の合計額を記入します。 加入している個人年金保険ごとに、「あなたが本年中に支払った保険料等の金額(分配を受けた剰余金等の控除後の金額)」欄に支払保険料の合計額を記載しましょう。

保険料控除の計算式にあてはめて控除額を計算

次に、保険料控除の計算式にあてはめて、控除額を算出しましょう。新保険料と旧保険料それぞれの支払保険料を合算し、それぞれについて控除額を算出しますが、年間支払額によって、計算方法が異なります。

平成23年12月31日以前の旧契約の場合

年間の支払保険料総額:所得税の控除額 25,000円以下: 支払保険料の全額 25,000円超〜50,000円以下:支払保険料×1/2+12,500円 50,000円超〜100,000円以下:支払保険料×1/4+25,000円 100,000円超:一律50,000円

平成24年1月1日以後の新契約の場合

年間の支払保険料総額: 所得税の控除額 20,000円以下:支払保険料の全額 20,000円超〜40,000円以下:支払保険料×1/2+10,000円 40,000円超〜80,000円以下:支払保険料×1/4+20,000円 80,000円超:一律40,000円 この計算式に基づいて新契約および旧契約の控除額を算出し、それぞれの欄に記載します。さらに、旧契約と新契約それぞれの控除額を合算した金額も記載します。 そのうえで、旧契約の控除額(最大4万円)と、旧契約+新契約の控除額(最大4万円)を比較し、いずれか大きいほうの金額が、控除金額となります。

年末調整で忘れずに手続きして控除を受けよう

年の瀬の忙しい時期、年末調整はついつい後回しになってしまうこともあるかもしれません。 そんなときにあわてて対応すると、個人年金の申告が漏れてしまった、ということも起こりえます。 個人年金の保険料支払額を正しく年末調整で申告することにより、所得税の節税、ひいてはその先の住民税の節税にもつながります。 年末調整では、個人年金も忘れずに申告し、控除を受けられるようにしましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。