年金が受け取り可能になる年齢と受給額は?現状と課題を知っておこう

年金制度は複雑で理解するのは大変ですが、年金が受け取り可能になる年齢や受給額についてなど、必要なポイントは知識として知ったおいたほうが自分のためになります。年金制度の現状と課題を知り、将来のために年金の在り方についての知識を深めましょう。

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年金について詳しくなろう

公的年金と私的年金

年金には、「公的年金」と「私的年金」の2種類があります。国が運営している公的年金が土台になっており、その上乗せに企業が独自に実施したり個人が任意で加入する私的年金があるのです。 公的年金は、国民の全員が加入を義務づけられている「国民年金」と、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入する「厚生年金」があります。私的年金は、その公的年金に上乗せし、企業や個人が任意で加入する年金制度なのです。私的年金には、企業年金や国民年金基金などがあり、各種の税制優遇措置が取られています。

公的年金の詳細

国民年金は、原則として20歳以上60歳未満のすべての方に加入義務がある年金です。被保険者は、1号(自営業の方など)、2号(会社員や公務員の方)、3号(2号被保険者に扶養されている配偶者)に区分されています。 国民年金の上乗せとして、会社員や公務員の方が加入するのが厚生年金です。公的年金では、老後の生活の保障だけでなく、「障害年金」や「遺族年金」のような保障も存在。また、その他にも公的年金の上乗せとして、国民年金基金や確定拠出年金のような制度も存在しています。

私的年金の詳細

私的年金は、一般的に民間の保険会社等が販売する個人年金保険のことをいいます。保険料の払込期間(60歳までなど)、受取年齢(60歳または65歳から)、受取年数(5年間もしくは10年間など)を決定するのは加入者です。個人年金保険には、積立型と一時払型の2種類があります。 積立型は、毎月一定の金額をコツコツ積み立てるので、少ない負担で将来に向けた資金を貯めることが可能。一時払型は、一時払い保険料を決められている利率で一定期間運用し、将来の年金原資を確定する方法です。

保険者と被保険者の解説関係

健康保険の保険者とは、健康保険事業の運営をしている主体のことで、「全国健康保険協会」と「健康保険組合」の2種類あります。そして被保険者とは、その保険のサービスを受ける人のことです。

保険者の種類について

「全国健康保険協会」は、健康保険組合に加入している組合以外の被保険者の健康保険を管掌。このことを、「全国健康保険協会管掌健康保険(通称:協会けんぽ)」といいます。「健康保険組合」は、その組合員である被保険者の健康保険を管掌。このことを、「組合管掌健康保険(通称:組合)」といい、1つの企業で設立する組合や同種・同業の企業が合同で設立する組合などの種類があります。 組合を設立するには条件が必要です。一定数以上の被保険者がいて、なおかつ組合員となる被保険者の半数以上の同意を得たうえで規約をつくり、その後厚生労働大臣の認可を受けなければいけません。組合は、健康保険法で定めれらている保険給付や保健福祉事業を行ったり、一定の範囲で付加給付を行うなど、自主的な事業運営ができます。

被保険者と契約者について

被保険者は、保険の対象になっている人のこと。病気やけがなどをした際には必要な給付を受けることができます。契約者は、保険会社に契約の申し込みをして保険料を支払う人のこと。被保険者と契約者は同一であることが多いのですが、別人である場合もあります。 例えば、「子ども保険」は親が契約して子どもが被保険者になり、この場合は被保険者と契約者が一致しません。このように被保険者と契約者が一致しない場合、契約時に被保険者の同意が必要です。また、保険の契約に際しては、被保険者に告知義務が発生します。

報酬比例部分について

報酬比例部分の意味

20歳〜60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納付した方は、65歳から満額の「老齢基礎年金」が受給可能です。(未納期間がある方は年金額の計算の対象期間外。)そして、厚生年金の被保険者期間があり、老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たした方が65歳になったとき、老歴基礎年金に上乗せして「老齢厚生年金」が支給されます。 ただし当分の間は、老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たしており、厚生年金の被保険者期間が1年以上あることによって受給資格を満たしていれば、60歳〜65歳になるまで、「特別支給の老齢厚生年金」が支給されるのです。老齢厚生年金は生年月日により、男女別に受け取れる年齢が違います。そして、65歳前に支給される「特別支給の老齢厚生年金」には、「報酬比例部分」と「定額部分」があるのです。

特別支給の老齢厚生年金の額

特別支給の老齢厚生年金の額は、報酬比例部分と定額部分を合計した金額。昭和16年(女性の場合は昭和21年)4月2日以降に生まれた方からは、定額部分の支給開始年齢が引き上げられます。昭和24年(女性の場合は昭和29年)4月2日以降に生まれた方からは、報酬比例部分のみの額です。

報酬比例部分とは

年金額が厚生年金保険の加入期間中の報酬、及び加入期間に基づき計算される部分のことです。65歳から支給される老齢高専年金については、報酬比例部分と同じように計算されます。

定額部分とは

年金額が厚生年金保険の加入期間に基づき計算される部分のことです。「生年月日による単価×加入した月数×物価スライド率」という計算式によって算出できます。

繰り下げられる可能性

65歳から受け取ることができる年金を、65歳前に請求して年金を受給することを「繰上げ支給」といいます。60歳以降でないとできません。本来は65歳からもらう年金を65歳に請求する場合、請求した月から本来の年金額よりも減額された年金額を受給することになります。ただし減額された年金額は一生続くので注意しましょう。 逆に、65歳から受給する年金を、1年以上経過した66歳以降に申し出て年金を受給することを「繰下げ支給」といいます。この場合、増額した年金額を、申し出た翌月から受給することが可能です。ただし、「特別支給の老齢厚生年金」は、65歳になると受給できないので、繰下げ支給はできません。

年金の今の現状を知ろう

現在の年金支給年齢

例えば、20歳〜60歳になるまで国民年金に加入していれば、60歳で保険を納め終わり、65歳から年金の支給が始まります。60歳〜65歳まで待機期間がありますが、厚生年金保険の加入期間が12ヶ月以上あれば、60歳〜64歳まで「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることが可能。年金を受け取るためには、10年以上公的年金制度に加入していることが必須条件です。 老齢基礎年金は、原則として65歳から受給でき、60歳〜64歳までの間であっても請求すれば繰上げて年金を受給できます。しかし繰上げて年金を受給する場合、以下の点に注意しましょう。 ☑ 1.老齢基礎年金の額は、生涯減額されることになる。 ☑ 2.繰上げ受給の手続き後は、障害基礎年金や寡婦年金を受給できない。 ☑ 3.国民年金の任意加入者の場合、繰上げ受給はできない。

年金平均受給額

公的年金に加入している人すべてが対象になるのは老齢基礎年金(国民年金)で、サラリーマンの場合は、老齢年金が加わります。現在の年金制度のモデル年金は、妻が専業主婦の家庭を想定しており、夫婦ともに40年間きちんと加入しており、夫の平均月額報酬は36.7万円という想定です。 この想定の場合、老齢基礎年金が67,017円となり、老齢厚生年金が104,092円。夫の支給額は67017円+104,092円となり、妻の支給額は67,017円で、合計で23万8,125円ということになります。年収にすると約286万円です。老齢基礎年金は65歳からですが、報酬比例部分の支給開始年齢は、生年月日及び男女によって異なります。例えば昭和32年生まれであれば62歳から報酬比例部分を受け取ることができるのです。

平成27年度のデータによる年金平均受給額

☑ 1.国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額は55,244円 ☑ 2.厚生年金(老齢厚生年金)の男女の平均受給額は14万7,872円(男性の平均支給額は166,120円、女性の平均支給額は10万2,131円) ☑ 3.夫婦世帯の平均支給額は19万3,051円 ☑ 4.独身世帯の平均支給額は11万1,375円

年金平均受給額の推移

国民年金(老齢基礎年金)の場合、平成23年度〜平成27年度の年金平均受給額の推移はこれまでの減少傾向から一転して、平成27年度に上昇します。国民年金(老齢基礎年金)は、所得に関係なく保険料の納付期間で支給額が決定するため、きちんと納付している方が増加したのだと考えられるでしょう。 厚生年金(老齢厚生年金)の場合、平均受給額は右肩下がり。平成23年度は15.2万円でしたが、へいせい27年度は14.7万円までさがっています。5,000円下がっているということは、年間6万円違うことになり、65歳〜90歳までの25年間で想定すると150万円もの差が生じるということです。

現在抱える年金の課題

年金崩壊の可能性

年金制度が崩壊して年金が貰えなくなるのではないかという不安を抱いている方はとても多いです。年金崩壊の可能性が指摘されていますが、年金制度は5年に1度検証されているので、年金崩壊の可能性はないともいわれています。 ただし、年金制度は破綻はしないものの制度を維持するための手段が取られる可能性は否定できません。例えば、年金の保険料の値上げ、年金の支給額の引き下げ、年金の受給年齢の繰上げ、消費税などの税金の値上げ、特別手当の廃止など。今後、制度に変化がないかを気にしておいたほうがいいでしょう。

被保険者の負担倍増

これから本格化するのが少子高齢化。このしわ寄せを受けて、被保険者の負担が倍増するのではないかということが懸念されています。年金制度でよく誤解されているのは、支払っている年金保険料は自分がもらう年金ではないということ。現在納めている年金保険料は、現在年金の支給を受けている高齢者世代のために支払っているものなのです。 少子高齢化がこのまま本格化すると、年金を受給する高齢者世代が多くなり、年金保険料を納めている若者世代が少なくなります。そうなると、将来被保険者の負担が倍増するのではないかという心配が出てくるのです。

年金支給年齢の引き上げ

いつから引き上げられ何歳からになるのか

現在の年金制度では、60歳〜70歳の間で受給開始年齢を選択できます。標準年齢は65歳で、繰り上げて60歳から年金を受け取ることも可能ですし、繰り下げて70歳から受け取ることも可能です。 原則では、基本は65歳が受給開始年齢ですが、希望すれば「繰上げ受給」と「繰下げ受給」を選択できるということ。繰上げ受給は年金受給額が減額され、繰下げ受給は年金受給額が増額されます。60歳0ヶ月からの受給を選択した場合は、減額は最大の30%。70歳0ヶ月からの受給を選択した場合は、増額は最大の42%となります。

年金の支払いに影響をもたらす

年金支給年齢の引き上げは、年金の支払義務年齢や支払う金額に影響をもたらします。国民年金の受給開始年齢がさらに引き上げになったり、支給額の減額などが行われた場合、結果的に現在支払っている年金保険料よりも、将来もらえる年金額が大幅に減ってしまうのではないかということがいわれているのです。 実際のところ、厚生労働省は国民年金の保険料納付期間を65歳になるまで延期するという案を検討しています。現在の法案では20歳〜60歳になるまでなので、5年間の支払延期の案を検討しているということです。

将来は少子高齢化により年金の在り方は変化を遂げる

将来は少子高齢化により、年金の在り方は現在とは異なり変化を遂げることが予測できます。とはいえ、今は現在の年金制度について知っておくことも大切です。 年金制度は複雑なのですべてを理解するのは大変ですが、年金の受給開始年齢について、平均受給額についてなど、必要なポイントをおさえておくと自分のためになります。そして現在抱えている年金の課題についても理解しておくといいでしょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。