母子家庭手当はいつまでもらえる?知っておきたい所得制限と割引制度

離婚を決めたときに不安になるのが、経済力。シングルマザーとして自分ひとりで子育てができるかと不安に感じている人も多いのではないでしょうか。国や自治体には、母子家庭を支援する制度が設けられています。受けられる手当や免除・割引などの支援制度を理解しておきましょう。

保険の無料相談実施中!
保険は貯蓄!です。お金のプロの公認会計士・税理士が運営する安心の保険代理店です。
保険をキチンと見直せば、お金をたくさん増やすことできます。
ご相談は無料ですので、お気軽に エクセライク保険㈱ までお問い合わせください。
✆ 03-5928-0097 メールでのご相談

 

母子家庭手当などの支援制度

15歳までの児童手当

日本国内に住む、0歳〜15歳(中学卒業)までの児童が受けられるのが「児童手当」です。国が「子供にかかる生活を支援する」ために設けられた制度で、4ヶ月ごとに年3回まとめて支給されます。 3歳未満なら1ヶ月あたり1万5,000円、3歳以上15歳未満なら1ヶ月あたり1万円(第1子・第2子)、第3子以降は1万5,000円、中学生は1万円、所得制限世帯では5,000円の手当てを受給することができます。 児童手当は、受給者支給対象の児童を養育している養育者に対して支払われます。両親以外に養育されている場合は、その養育者に対して支払われる手当です。 児童手当は、申請してすぐに振り込まれるものではありません。申請した翌月から換算して、2月・6月・10月の年3回、4ヶ月分がまとめて支給されることになります。支給日は10日や15日が多いようです。 また児童手当は、年に一度その年の6月に現況届けを出す必要があります。提出が遅れると支給が停止してしまうため、必ず提出しましょう。児童手当を新規に申請する場合の手続きに必要なものは、以下の通りです。 ☑マイナンバー ☑印鑑 ☑申請者本人名義の普通預金通帳、もしくはキャッシュカード ☑申請者の健康保険証のコピー ☑所得証明書 児童手当には所得制限があるので、離婚前と離婚後では受給額が変わることもあります。振込口座の変更とあわせて、必ず申請するようにしましょう。

18歳までの児童扶養手当

児童扶養手当は、離婚や死別などの理由によって両親のいずれか片方からしか養育を受けることができなくなった場合に、受給することができる手当のことです。 母子家庭手当の正式名称でもあり、子供1人につき1ヶ月あたり最大で42,290円、2人目は9,990円、3人目以降は5,990円が支給されることになります。 上記はあくまでも全額支給の場合で、所得によっては減額されることもあります。所得をはじめ、扶養親族の人数、適用される控除額などが児童扶養手当の金額を算出するために必要なものとなります。 18歳まで受給することができるので、必ず手続きをするようにしましょう。母子家庭手当を受給できるかどうかは、以下のような一定の要件を満たした場合に限ります。 ☑1.父母が離婚した ☑2.父、または母が死亡した ☑3.父、または母が一定程度の障害状態である ☑4.父、または母が生死不明である ☑5.その他これに準じるもの 父、または母に遺棄されている児童 父、または母が1年以上拘禁されている児童 母が未婚のまま懐胎した児童 孤児 また、母子家庭手当を申請するときに必要な書類は以下の通りです。 ☑児童扶養手当認定請求書(役所の窓口で用意されています) ☑請求者と対象児童の戸籍謄本、または戸籍抄本 ☑世帯全員の住民票 ☑申請者の健康保険証と年金手帳、もしくはマイナンバー ☑印鑑 ☑申請者本人名義の普通預金通帳、もしくはキャッシュカード 所得制限や受給資格を求められる児童扶養手当。離婚したからといって必ずしも支給対象となるわけではありませんが、まずは各市町村の役所窓口で相談してみるのがよいでしょう。 離婚届は提出していないけれど、別居状態である場合も児童扶養手当の支給対象となる場合があります。 ☑父、または母から1年以上にわたって遺棄されている児童 ☑父、または母が裁判所によって保護命令を受けている児童 ☑父、または母が1年以上にわたって拘禁されている児童 などが支給対象とみなされることになります。

市町村の住宅手当

住宅手当とは、20歳未満の児童を養育しているひとり親世帯が対象になる手当です。片親のみで養育し、世帯主である場合は、住宅手当を受給できる可能性があります。 住宅手当は、市町村独自の制度であるため、住んでいる各地域役所が設置している福祉事務所へ問い合わせてみるのがよいでしょう。 住宅手当を受けるための主な条件は以下の通りです。 ☑20歳未満の子供を育てる母子家庭 ☑生活保護受給のない母子家庭 ☑補助を受給する市区町村に在住している ☑所得が一定額以下 ☑家賃が1万円以上6万円未満 また、住宅手当を申請するときに必要なものは以下の通りです。 ☑各地区の母子家庭住宅補助・家賃補助等申請書 ☑戸籍謄本 ☑建物賃貸契約書の写し(公営住宅の場合は、家賃決定通知書) ☑申請した月に支払った家賃の領収証 ☑移住している地区で発行された所得証明遺書 ☑印鑑 ☑申請者本人の普通預金口座の通帳、もしくはキャッシュカード また、DVなどの理由によって急を要する離婚や別居状態になった場合、母子家庭支援施設を利用することができることもあります。ほかにも、公営住宅の抽選を優先する制度などもありますので、まずは役所で相談してみるのがよいでしょう。

18歳までの医療費控除制度

子供が小さいうちは、熱を出したり流行の病気を移されてしまったりと、病院を利用することも多く、母子家庭などのひとり親世帯には、医療費の負担はとても大きなものです。こうした母子家庭などのひとり親世帯の医療費負担を軽減するための支援策として「医療費控除制度」があります。 控除内容は、1割の自己負担。1ヶ月の自己負担金を超えた場合は、超えた分の金額が返還されます。健康保険に加入していれば、子供が18歳になるまで母子ともに助成を受けることができます。 ただし、医療費の控除制度には所得制限があり、詳細は各自治体によって異なることもありますので、まずは役所へ問い合わせてみるのがよいでしょう。

市町村のこども医療費助成

各市町村で設けられている、子供医療費助成制度。健康保険に加入している保護者が養育する0歳〜15歳までの子供が対象です。母子家庭だけでなく、所得が一定額以下のひとり親家庭を対象としているので、父子家庭でも受けることができる助成制度です。 小学生・中学生は、入院や訪問介護での医療費が助成されることとなり、保険内医療の1割の自己負担となります。助成を受けるためには、子供医療費受給者証の交付を申請する必要がありますので、健康保険証と印鑑、所得課税証明書等を持参して地域の役所にて手続きしましょう。

母子家庭が利用できる割引制度

再婚していない女性への寡婦控除

寡婦控除(かふこうじょ)とは、納税者本人が寡婦である場合に確定申告や源泉徴収に記載することで、所得の控除を受けられる制度です。寡婦控除と寡夫控除があり、寡夫控除は男性、寡婦控除は女性を意味します。どちらも市民税などの税金が割引されるので、経済的な負担を軽くすることができます。 寡婦とは、以下に記載するいずれかに当てはまる女性のことを指しています。 ☑夫と死別、または離婚した後に婚姻をしていない人で、親族や子を養っている。 ☑夫の生死が明らかでない人で、親族や子を養っている。 ☑夫と死別した後に婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない人で、合計の所得金額が500万以下である。 また、特定の寡婦と認められた場合には、控除額が上乗せされる可能性もあるので、役所などで相談してみましょう。年末調整時に控除を受けるためには、年末に配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記載します。添付する書類等は特に必要ありませんので、忘れずに記入・提出するようにしましょう。

国民健康保険の免除

パートや無職で正社員のように社会保険を支払っていない場合、通常は国民健康保険の支払い義務が生じます。しかし、母子家庭で低収入の場合、国民健康保険料を減免してくれる制度があります。 会社が倒産したり、やむを得ない理由で会社を退職したときなどに申請して受けることも可能なものです。減免を受けるための条件は、前年度の所得や世帯人数によって異なります。また、地方の自治体によっても国民健康保険の軽減の割合や方法が異なるため、まずはお住まいの役所の納税課へ相談してみましょう。

国民年金の免除

国民健康保険同様に国民年金にも全額、もしくは半額免除の制度が設けられています。国民年金の払い込みが困難な状況である場合は、まず最寄の市町村の役所の国民年金係に相談してみましょう。 ただし、仕事を持って勤務している人は、会社の健康保険や厚生年金に加入しているので、免除制度を利用することはできません。あくまでも国民年金に加入していることが前提となります。 国民年金保険料には、全額免除と一部免除があり、一部免除には、「3/4免除」、「半額免除」、「1/4免除」があります。それぞれの免除を受けるための条件は、本人、配偶者、世帯主それぞれの前年所得が以下の金額以下である場合に限ります。 ☑全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 ☑3/4免除:78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 ☑半額免除:118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 ☑1/4免除:158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 寡婦控除や特別寡婦控除は計算に入れることができませんので、注意しておきましょう。所得制限がありますが、未納のままでいるよりも将来的な安心は間違いありません。きちんと申請して手続きを行いましょう。

自治体による電車やバスの割引制度

母子家庭などのひとり親世帯には、電車やバスなどの公共交通機関の割引制度を受けることができます。JRの通勤定期券なら3割引、電車やバスの交通料金なら、無料もしくは半額になる制度が設けられています。 割引制度を受けるためには申請手続きが必要となりますので、窓口で申請を行いましょう。

市町村の粗大ごみの手数料減免

各地方自治体では、母子家庭に対する支援策のひとつとして、粗大ごみ等の手数料を減免する措置がとられています。 ただし、この粗大ごみの手数料減免・免除措置は、福祉に力を入れている都市や財政的に余裕がある自治体のみしか実施されていないことも多く、お住まいの地域で適用されるかどうかは、確認が必要となります。 粗大ごみに関しての減免や免除が導入されている場合でも、小型家電やまだ使えそうなものは、リサイクルショップなどを利用してみるのも手。わずかでもお金に換金することができれば、節約にもつながります。

市町村の上下水道割引

全国すべての自治体が行っているわけではないのですが、母子家庭で児童扶養手当を受けている家庭の場合、水道の基本料金や上下水道料金の割引制度があります。 例えば、上下水道料金合計請求額の1/4が免除されたり、消費税分が免除されたり、1ヶ月当たり10立方mまでの使用料金が無料になったりと、各市町村によって上下水道の減免内容はさまざまです。 上下水道の割引を受けるためには申請が必要です。住んでいる地域の水道局に問い合わせて、どのような割引内容なのか、該当基準に当てはまるかどうかなどを確認してみるのがよいでしょう。

保育料の免除や減額

母子家庭の場合、生活するために仕事を持って働く人が多いでしょう。子供が小さい場合は、当然保育園を利用して子供を預かってもらうことになります。母子家庭はもちろん、共働きの世帯も含め、働くお母さんを支援するための制度として、保育料の免除や減額の制度が設けられています。 それぞれの地方自治体が管理している認可保育園では、1世帯当たりの市町村民税の税額によって、保育料が決められています。両親がいる場合でも所得が低ければ保育料は少なくなり、母子家庭でも所得が高ければ保育料も高くなる可能性があります。 保育料の減免を受けるためには、各市町村の役所に保育料の減額や免除に伴う申請書を提出する必要があります。ホームページからダウンロードすることもできますが、直接窓口でもらうことも可能です。 保育料減免の認可がおりると、減額・免除ともに申請した日の翌月から適用されます。年度の切り替え時には、再度手続きが必要となる場合もありますので、初回の申請時にしっかり確認しておきましょう。 保育料は、住民税金額によって決定するため個人差があります。保育園を利用する場合には、収入証明書や印鑑を持って、役所の窓口へ相談してみましょう。

シングルマザーに彼氏ができた際の注意

彼氏と同棲すると母子家庭手当は停止

母子家庭が受給できる母子家庭手当。実は、彼氏ができて同棲すると、停止されてしまう可能性があるのです。受給を受けるための要件は、先述の通りですが、手当が支給されない場合の要件もあります。 ☑1.日本国内に住所がない ☑2.父や母の死亡に伴う年金・労災などが受給できる ☑3.父、または母の年金の加算対象である ☑4.里親に委託されている状態である ☑5.請求者ではない父、または母と生計を同じくしている場合 ☑6.父、または母が再婚し、その連れ子として配偶者に養育されているとき 上記を見ると、彼氏と同棲したからといって手当が支給されなくなるとは思いもよりませんね。実は、児童扶養手当の受給証書の裏面には、「資格喪失」として以下のような記載があります。 「イ).手当を受けている父、または母が婚姻した(内縁関係、同棲、同居など婚姻の届けをしていないが事実上婚姻関係と同様の状況になった場合も含みます。)」 このことから、彼氏ができて同棲することになった場合、母子家庭手当が停止されてしまうことがわかります。もし、届出をしないまま手当を受給し続けていると、受給した手当を返還しなげればならないことになってしまいますので、注意しましょう。

彼氏が定期的に訪問する場合は停止の可能性あり

また、彼氏ができて同棲していないにもかかわらず、定期的な訪問がある場合も母子家庭手当が停止される可能性もあります。頻繁に定期的な訪問があり、生活費などの援助を受けている場合は停止されてしまうかもしれません。 もし、援助を受けていないとしても、彼氏が家に出入りすることは、金銭的な援助を受けているとみなされてしまいます。自治体によって判定の基準差はあるようですが、近所からの通報などで発覚することもあるので、もし彼氏ができて同棲や頻繁な訪問がある場合は、きちんと申請をする必要があります。

母子医療も再計算もしくは停止

彼氏ができて、母子家庭手当が支給停止となった場合、母子医療も再計算、もしくは停止される可能性があります。いつでも1割〜3割の自己負担で、医療機関を利用することができるありがたい制度も、彼氏ができたことで停止されてしまっては、経済的な負担は大きなものになってしまいます。 もし、交際を始めたばかりであったとしても定期的な訪問があれば、再計算や停止の可能性があると考えておいたほうがよいでしょう。 とはいえ、できたばかりの彼氏に「あまり家にはこないで」とは、なかなかいいにくいものです。精神的な支えやこれから再婚して新しい家族を築く可能性もあるのですから、彼氏には、きちんと話をして、理解してもらう必要がありそうですね。

保育料の減額制度も停止の可能性あり

母子医療同様に、保育料の減額制度も停止される可能性があります。詳細な基準は自治体によりますが、基本的には、母子家庭手当の不正受給を防ぐことが目的となっています。 母と子供が暮らす家庭に、男性が頻繁に出入りするのは、世間的な注目を集めてしまうことも多いようです。やましいことがないのに、近所の目を気にするのもつらいものですよね。 もし、彼氏ができて交際をはじめることになった場合は、「不正受給を受けた犯罪者」と、疑いをかけられないためにも一度役所に相談してみるのが良さそうです。

母子家庭手当を活用して育児をしよう

一人で子育てをしていくと決心して離婚を決めても、経済的な負担には誰もが不安を感じることでしょう。でも心配することはありません。子供の笑顔を守るすべての女性を支援するための制度はたくさんあります。また、必ず周りには自分と同じようにシングルマザーとして、頑張っている女性がいるはずです。 もし、人付き合いが苦手で相談しにくいという場合は、自治体の相談窓口や地域の民生委員などを頼ってみるのも手。他人だからこそ、第三者として的確な意見をくれることでしょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。