加給年金とは何か。受給資格や仕組みを知り、年金受給額を増やそう

老齢厚生年金の受給者に支給されるという、加給年金。一定の扶養家族がいる場合に支給されますが、意外と知られていないのが実情。支給を受けるにはいくつか基準があるため、該当しない場合もあります。該当する場合は、申請すると安心が得られるでしょう。

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加給年金の支給条件

厚生年金の加入期間が20年以上ある


加給年金は、厚生年金保険の加入期間が20年以上ある方、または中高齢の資格期間の短縮を受けている場合は15年〜19年の方が、65歳または定額部分支給開始年齢に達した時点で、被保険者に生計を維持されている65歳未満の配偶者や18歳未満の子がいる場合に支給されるものです。

年下の配偶者がいる人で、厚生年金の加入期間が20年にほんの少しだけ足りないというような場合は、退職日をずらしたり、もう少しだけ会社員として働いたりすることによって「20年」を満たす人もいます。

中高齢の特例とは

特定の生年月日に該当する男性で40歳以上、女性で35歳以上の年齢の期間に厚生年金に15年〜19年加入していることが条件で、厚生年金に20年加入したものとみなしてくれる制度です。

配偶者の年齢が65歳未満

被保険者が「老齢厚生年金の受給権」を取得した時点で、配偶者が65歳未満の場合に支給されます。配偶者が年上である場合、被保険者が65歳の時点で配偶者は65歳以上になっているため、加給年金は支給されません。加給年金の配偶者の加給金額は22万4,300円です。

配偶者が65歳以下であれば支給されるので、配偶者が若いほど長い期間加給年金が支給されることになります。例えば、被保険者が受給権を取得した時に配偶者が40歳だったとすると配偶者が65歳になるまでの25年間、加給年金を受け取ることが可能です。

姉さん女房(年上妻)は振替加算申請が可能

振替加算は姉さん女房はもらえないと思っている人がいるかもしれません。妻が年下なら妻が65歳になった時、自動的に振替加算が妻の年金に加算されます。年上妻の場合は自動で手続きがされないため、もらえないものと思っているのかも。

しかし、夫が65歳になった時に年上妻も手続きをすることで振替加算分を受け取ることが可能です。

振替加算の条件を満たしている場合には、「国民年金 老齢基礎年金加算開始事由該当届(様式222号)」を年金事務所に提出します。この時、戸籍謄本、世帯全員の住民票、妻自身の所得証明書の添付が必要です。

振替加算とは?

加給年金が打ち切られた後、一定条件のもとで配偶者の老齢基礎年金に上乗せされる給付のことを振替加算といいます。条件に該当する配偶者は生涯この年金を受け取ることが可能です。なお、加給年金の受給対象でなくても条件を満たせば加算される場合もあります。

振替加算の対象は、配偶者の加給年金の対象になっていた方のうち、下記の条件を満たす人になります。

☑大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれている場合
☑老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合、加入期間を併せて240月未満である場合
☑厚生年金保険の35歳以降の加入期間が、次の表未満である場合

かかわる生年月日(加入期間)は?

☑1 昭和22年4月1日以前 180月(15年)
☑2 昭和22年4月2日〜昭和23年4月1日 192月(16年)
☑3 昭和23年4月2日〜昭和24年4月1日 204月(17年)
☑4 昭和24年4月2日〜昭和25年4月1日 216月(18年)
☑5 昭和25年4月2日〜昭和26年4月1日 228月(19年)

自動的に加算にはなりませんので、「裁定請求書」による請求手続きが必要です。

振替加算は「配偶者が厚生年金加入者の場合に、国民年金に加入するルールがなかった時代の方(昭和61年4月1日時点で20歳以上の方)」を保護することを目的とした制度ですから、年齢が若くなるごとに減額され、昭和41年4月2日生まれ以後の方はゼロとなります。

振替加算をもらうにあたっての注意点

振替加算で届け出を出せば、貰えるかもしれないケースは2つあります。

☑姉さん女房が先に老齢年金を受給していて、あとから夫が65歳になって老齢年金の受給を開始するような場合、通常の手続きに加え、届け出をすることで、振替加算を受けられる場合があります。

☑「生計維持関係のある配偶者」の老齢基礎年金が65歳を過ぎてから開始される場合、加給年金額の対象者でなくても、振替加算の対象となる場合です。

「もらえるかどうかわからない」という時は年金事務所で確認するとよいでしょう。姉さん女房の場合、年金を受け取り始める年齢が60歳だったとして、振替加算の手続きは夫が65歳になった時です。

この場合、妻自身の年金手続きから5年以上も経ってから手続きをすることになります。普通に年金を貰って何事もなければ振替手続きをすっかり忘れてしまうこともありえます。

振替手続きを忘れないためには

妻自身の年金の手続き時に、戸籍謄本、世帯全員の住民票、妻自身の所得証明書などを添付しておけば、振替加算に該当する年齢になった時に手続きを促す通知が届出様式とともに郵送されてきます。この通知がくれば思い出せるでしょう。

自分の年金手続きの時に、忘れずにやっておいた方がよいでしょう。振替加算の手続きの時も、これらの書類をまた提出しなければならないことも覚えておきましょう。

第1子や第2子が18歳未満

被保険者が年金受給権を取得した時点で、子が18歳以下であることも条件の1つです。子が18歳に到達した年度末まで、加給金額22万4,300円(1人目、2人目の場合、3人目以降は74,800円)が支給されます。

しかし、被保険者が65歳時点からの支給となると、子が18歳以下というケース自体が少ないため、該当者はあまり多くないようです。

1級か2級の障害がある20歳未満の子がいる

被保険者が受給権を取得した時点で、1級か2級の障害がある20歳未満の子がいる場合は、加給金額22万4,300円(1人目、2人目の場合、3人目以降は74,800円)が支給されます。

この場合、診断書が必要ですが、年金専用の診断書を用います。子の障害についての診断書は、一度の提出で1、2級に該当すれば、提出はそれっきりで20歳になるまで加給年金は支給されます。

将来850万円以上の収入がないと認められている

配偶者や子の年齢条件の他に、収入の条件もあります。それも、配偶者や子が将来にわたり、年収850万以上の収入を得られないと認められることが条件です。

たまに、配偶者が130万円あるいは103万を超えたので、加給年金の支給が停止になると心配する方がいるようです。しかし、この基準は、健康保険や税法上の扶養家族の基準なので、加給年金には影響しません。

加給年金の仕組み

生年月日に応じた特別加算がある

被保険者の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額22万4,300円に特別加算があります。

☑ 1.昭和9年4月2日〜昭和15年4月1日:3万3,100円
☑ 2.昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日:6万6,200円
☑ 3.昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日:9万9,300円
☑ 4.昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日:13万2,300円
☑ 5.昭和18年4月2日以後:16万5,500円

以上の生年月日により、上記の金額が加給年金額に加算されます。

配偶者には65歳から振替加算がある

加給年金の対象になっている配偶者が65歳になると、それまで支給されていた加給年金は打ち切られます。このとき、配偶者が老齢基礎年金を受けられる場合には一定の基準により配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算されます。

振替加算の対象になるのは、配偶者が老齢基礎年金を受給する資格が得られる65歳に到達した時、加給年金支給の対象になっていた方で以下の条件を満たしている方になります。

☑ 1.大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること。
☑ 2.配偶者が老齢基礎年金の他に老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険および共済組合等の加入期間を併せて240月未満であること。
☑ 3.配偶者の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降の(男性は40歳以降の)加入期間が、昭和22年4月1日以前は180月(15年)、昭和22年4月2日〜昭和23年4月1日は192月(16年)、昭和23年4月2日〜昭和24年4月1日は204月(17年)、昭和24年4月2日〜昭和25年4月1日は216月(18年)、昭和25年4月2日〜昭和26年4月1日は228月(19年)未満であること。

条件から外れた場合は支給停止になる

加給年金の支給条件から外れた場合は、加給年金は支給停止となります。子の場合は、18歳到達年度末で、1級か2級の障害がある子が20歳になった場合は、支給停止です。

配偶者の場合は、配偶者自身が自分の老齢厚生年金(60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を含む)を受給し始めた場合や障害年金を受給している場合、働きながら老齢年金を受け取る老齢厚生年金の額が減額される「在職老齢年金」の制度を利用している場合は、支給停止になります。

また、次の場合に該当する時には、加算額・加給年金額対象者不該当届を提出しなければなりません。

☑ 1.配偶者や子が死亡した時
☑ 2.受給権者によって生計が維持されなくなった時
☑ 3.配偶者と離婚した時
☑ 4.養子となった時(事実上の養子も含む)
☑ 5.離縁した時
☑ 6.婚姻をした時(事実婚も含む)
☑ 7.障害状態にない子供が 18 歳到達日以後の最初の 3 月 31 日を迎えた時
☑ 8.障害状態にある子供が障害状態ではなくなった時(18歳到達日以後の最初の3月
31日までにある子供は除く)
☑ 9.子供が 20 歳に到達(障害)

ただし、子供が18歳到達年度末を迎えた時、または障害状態にある子供が20歳を迎えた時については、届出は不要とされています。これは、年齢に関しては役所で把握できるということのようです。

しかし、そのような時にも、万が一加給年金の支払が続いている場合は間違いかもしれませんので、社会保険事務所等で問い合わせた方がよいでしょう。加給年金を受け取り続けた場合、支給停止の期間分は後で返却することになってしまいます。

加給年金の申請手続き方法

必要な書類を準備する


加給年金の申請には申請書の他に添付書類が必要になります。以下の添付書類はコピーは不可となっているので、必ず原本を用意しましょう。

☑ 1.受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本

これは記載事項証明書として受給権者と加給年金額の対象者、つまり配偶者や子であるという身分関係を確認するためのものになります。加算開始日より後に発行されたもので、かつ提出日の6ヶ月以内のものを用意しましょう。

☑ 2.世帯全員の住民票

続柄、筆頭者が記載されているものが必要。受給権者と加給年金額の対象者の生計同一関係を確認するものになります。加算開始日より後に発行されたもので、かつ提出日の6ヶ月以内のもの用意しましょう。

☑ 3.加給年金額の対象者(配偶者や子)の所得証明書、非課税証明書のうち、いずれかひとつ(加算開始日からみて直近のもの)

加給年金額の対象者が受給権者によって生計維持されていることを確認するためのものになります。

☑ 4.加給年金額対象者の子に障害がある場合の診断書

これについては、年金事務所に確認しましょう。

年金事務所に提出する

加給年金の申請は、お住まいの近くにある年金事務所、または街角の年金相談センターです。申請書類に関して不明なことがある場合はお問合せをしてから申請に行きましょう。

書類に不備が発生すると、手続きも遅れてしまい、また出向くことになるため、確認してから年金事務所等に行くことがおすすめです。

分からないことはねんきんダイヤルに問い合わせる

加給年金のことでわからないことがある場合は、年金事務者や街角の年金相談センターで確認することもできますが、「ねんきんダイヤル」に問い合わせることもよいでしょう。

間違い電話が発生しているようなので、かけ間違いのないように注意しましょう。

ねんきんダイヤルについて

☑ ねんきんダイヤル0570-05-1165または03-6700-1165

☑ 受付時間:月曜日 8:30〜19:00、火曜日〜金曜日 8:30〜17:15 第2土曜日 9:30〜16:00

月曜日が祝日の場合は、翌日以降の開所日初日に19時まで相談が可能。なお、祝日、12/29〜1/3は利用できません。

加給年金を受給する際の注意点

配偶者が年金を受ける場合は支給が停止される

受給権者が受けている老齢厚生年金や、障害厚生年金に加算されている加給年金額の対象者になり、配偶者が、障害年金・老齢厚生年金・退職共済年金を受ける場合は、それまで受給権者に支給されていた加給年金額が打ち切られます。

夫も妻も元気でいることが前提

加給年金は、受給権者の老齢年金に加算されるもの。よって、受給権者が亡くなれば、当然支給は停止になります。また、受給権者の配偶者が亡くなった場合も、受給権者に加算されていた配偶者分の加給年金は、支給停止になるのです。

例えば、受給権者(夫)が老齢厚生年金の受給権を取得した時に配偶者(妻)が40歳だったとすると、配偶者が65歳になるまで25年間上乗せが続くということになる加給年金ですが、これは、夫も妻も元気でいることが前提なのです。よって、どちらかが亡くなれば、加給年金は支給停止となります。

配偶者は厚生年金の加入期間が20年必要

加給年金の支給には、配偶者が老齢厚生年金の被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降15年以上の加入期間が必要です。

つまり、加給年金を支給されるためには夫婦とも20年以上厚生年金の被保険者であることが条件になります。

離婚した場合は支給が停止される

加給年金は、受給権者と離婚した場合、支給は停止となります。ただし、加給年金から振替年金に切り替わった場合、つまり受給権者の配偶者が65歳になった時は、加給年金分の金額が振替年金として配偶者自身の名義で支給されることになるため、離婚しても配偶者に支給され続けるのです。

よって、配偶者が65歳前に離婚してしまうと、振替年金に変わる前なので、加給年金の支給は停止となります。離婚後65歳を過ぎても、振替年金は支給されません。

配偶者が亡くなった場合も支給が停止される

加給年金支給の対象になっている配偶者が亡くなった場合は、加給年金の支給は停止されます。夫婦元気で顕在していることが条件のため、この場合は、加算額・加給年金対象者不該当届を提出しなければなりません。

提出先は、住所地を管轄する社会保険事務所です。最寄りの社会保険事務所、社会保険事務局の事務所または年金相談センターでも受付可能。また、加算額・加給年金対象者不該当届には、提出期限があります。

提出期限

☑ 1.厚生年金の加算対象者:10日以内
☑ 2.国民年金の加算対象者:14日以内

加算額・加給年金対象者不該当届への添付書類は特にありません。加算額・加給年金額対象者不該当届には、記載するために必要な事柄があるので、以下の内容を控えてから届け出先に出向くようにしましょう。

必要な記載事項

☑ 1.受給権者の基礎年金番号・年金コード
☑ 2.受給権者の生年月日
☑ 3.不該当者の(以下同じ)不該当となった日にち
☑ 4.不該当となった事由
☑ 5.氏名
☑ 6.生年月日:生年月日が一桁の部分がある場合、一桁数字の前に0を記入して「02月」というようにします。
☑ 7.受給権者との続柄
☑ 8.その他受給権者の氏名・住所等

子供が結婚したり養子になった場合も支給停止

加給年金支給の対象になっている子供が結婚をした時(事実婚も含む)、加給年金の支給は停止されます。また、加給年金支給の対象になっている子が養子となった時(事実上の養子も含む)も、加給年金の支給は停止です。

いずれの場合も、加算額・加給年金対象者不該当届を提出しなければなりません。こちらも、配偶者が亡くなったときと同じように書類の提出を行います。提出期限も同様なので、漏れなく行いましょう。

加給年金の制度を利用して受給額をアップさせよう


加給年金はいろいろな条件があり少しわかりにくいかもしれません。加給年金の制度は、該当する人はきちんと受給できる人にとってはお得な制度です。長期間支給される場合も結構な金額を受給できます。

面倒くさいからいいや、ということではなく、受給資格の確認や受給条件を一度確認して、該当する場合はぜひこの制度を利用して年金の受給額をアップさせてください。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。