退職しても出産手当金が受け取れる。 受給条件は健康保険と退職日

収入の無い産休中に嬉しい「出産手当金」。実は退職でも条件を満たせば受け取ることができます。出産には出費がつきものですので、受給の条件や申請方法を確認してしっかりと申請し、出産手当金を受け取りましょう。

保険の無料相談実施中!
保険は貯蓄!です。お金のプロの公認会計士・税理士が運営する安心の保険代理店です。
保険をキチンと見直せば、お金をたくさん増やすことできます。
ご相談は無料ですので、お気軽に エクセライク保険㈱ までお問い合わせください。
✆ 03-5928-0097 メールでのご相談

 

退職後でも出産手当金を受給できる条件

退職日まで1年以上継続して健康保険に加入している

出産手当金は基本、退職せず産休をとった方に支給される制度ですが、退職日までに1年以上継続して健康保険に加入している方も手当金を受給することができます。1年以上健康保険に加入していれば、契約社員やパートの方も受給が可能です。 派遣社員の方などは勤務する会社が変わると健康保険も切り替わりますので、その際に1日でも加入していない日があると支給の対象外となってしまいますので注意してください。また、健康保険に加入している1年間の中に退職して転職までの間などに加入を引き延ばせる任意継続の期間がある方や、保健機関の違う国民健康保険に加入している方も対象外となります。 ☑受給できる:健康保険に1年以上加入している社員・契約社員・パート・アルバイト ☑受給できない:健康保険加入期間が1年未満 保険加入1年の間に加入していない空白の期間がある、または任意継続期間がある 自営業などで国民健康保険に加入している

?退職日が出産日もしくは出産予定日から42日以内

退職しても出産手当金を受けとるためには、退職日を出産日から逆算して42日以内にする必要があります。出産予定日より遅く生まれた場合は出産予定日より42日以内、多胎児の場合は98日以内となります。予定日より遅く生まれた場合でもその遅れた日数分の手当金が受け取れます。 妊娠中は体調を崩しやすいので早めに退職される方もいらっしゃると思いますが、42日(多胎児は98日)よりも前に退職をしてしまうと受給資格が無くなってしまいます。赤ちゃんはいつ生まれてくるかわかりませんので、出産予定日から42日以内で退職日を決めた方が良いでしょう。 例 出産予定日が5月1日の場合:退職日3月20日以降(多胎児の場合1月23日以降) 出産手当金は働けない間の収入の保障なので、「出産ギリギリまで働きたい」という方は退職日を出産ギリギリにしても問題はありません。その場合、支給される手当金は働いた日数分が減額されます。

退職日当日に出勤していない

もう一つ大事なのが、退職日に出勤していないことです。出産手当金の受給条件の中には「資格喪失時に出産手当金受けているか、または受ける条件を満たしていること」という項目があり、退職日にはもう休暇に入っていなくてはなりません。出勤してしまうとその条件を満たしていないとして受給できなくなってしまいます。申請の書類の中には事業主が勤務状況を記入する項目がありますので、退職日に出勤で申請すると受給ができなくなってしまいます。 退職日は休みにしてもらったり、有給を消化したりなどして出勤しないようにしてください。

出産手当金受給のための手続き方法

出産予定日がわかったら勤務先に受給資格を確認

出産予定日が分かったら早めに担当の方に報告をしましょう。自分が出産手当金の受給資格があるかどうか確認してもらい、退職日を決めます。健康保険の加入期間や支給期間内に退職すること、退職日に出勤しないことを確認しながら相談してください。 会社によっては後任の方を募集したり、退職前に引き継ぎしたり等退職前にしておかなければならないことがありますので、妊娠の報告や退職希望の旨等は早めに報告した方がよいでしょう。

産休前に健康保険出産手当金支給申請書をもらう

退職日が決まったら、健康保険出産手当金申請書をもらいます。退職してからだと体が重くなり会社まで出向くのも大変なので、なるべく早めに用意してもらった方がよいでしょう。自分で申請書類を用意する場合は、HPから入力用・手書き用を選んでプリントアウトもしくは健康保険を管轄している社会保険事務所でも入手することができます。 詳細はこちら 会社の加入している健康保険が共済組合なら「出産手当金請求書」と申請書の名前が変わります。こちらは自治体等でHPが違うので、会社の担当の方に確認をしてみてください。

勤務先に提出方法を確認しておく

出産後にバタバタしないように申請書の提出方法も、郵送なのか持参なのか担当の方に確認しておいてください。郵送の場合は、郵便番号と住所と担当の方の名前を間違えないように気を付けましょう。 申請書の提出は会社がしてくれることがほとんどですが、自分で提出をしなければならない場合は社会保険事務所に行って提出することになりますので、会社で記入してもらう書類も忘れずにもらうようにしてください。

入院する際に申請書を持参し医師に記入してもらう

申請書類に中には出産した証明として、医師に記入してもらうものがあります。会社で申請書をもらう時に一緒もらっておいてください。出産し、入院している時に記入してもらう必要があるので、忘れないよう入院の荷物の中にあらかじめ入れておくと安心です。陣痛が来て病院へ行った際、または出産後の入院中に看護士さんに渡しておきましょう。退院までに記入をして渡してくれます。 病院によっては申請書の記入代を支払わなければならない病院もありますので、入院するまでに確認をしておくと良いでしょう。

勤務先に申請書と必要書類を提出する

申請書類に必要な記入ができたら、次は添付書類を用意しましょう。マイナンバーを記入したら、ナンバーの確認のため「番号確認書類」と「身元確認書類」の両方の添付が必要となります。ただし、保険者の記号番号を記入した場合はマイナンバーの記入もマイナンバー確認書類も必要ありません。

マイナンバーカードを持っている場合

マイナンバーカードのコピー(表面・裏面の両方)

マイナンバーカードを持っていない場合(1〜3のいずれかひとつ、(1)〜(3)のいずれかひとつの計2枚)

1.個人番号通知のコピー 2.住民票(マイナンバー記載の物) 3.住民票記載事項証明書(マイナンバー記載の物) (1)運転免許証のコピー (2)パスポートのコピー (3)その他官公署が発行する写真つき身分証明書のコピー 添付台紙はこちらからプリントアウトできます。 詳細はこちら 勤務先に郵送または持参して提出しましょう。 以前は賃金台帳(給与明細書)のコピーと出勤台帳(タイムカード)のコピーの添付が義務付けられていましたが、平成28年4月より廃止されました。廃止前は賃金台帳で欠勤している間の賃金を確認していましたが、今後は申請書のみの判断となります。

一括申請と産前産後の2回申請

出産手当金の申請は一括申請と産前産後の2回に分けての申請と選ぶことができます。一括の場合は書類の記入も申請も1回で済ませられますが、2回申請は産前の分と産後の分で分けられるので書類記入はすべて2枚ずつになり、提出も2回行わなければいけません。また2回申請したいという旨をあらかじめ会社に伝えておく必要があります。 なぜそんな面倒くさいことをするのかというと、2回申請の場合は産前の分が早く支給されるからです。一括申請の場合は申請が産後の産休(産後56日)が終わってからの申請になりますが、2回に分けた場合は産前の分を出産日から申請することができます。産後56日を待たずに申請ができるのでその分早く支給されるということです。

出産手当金が振り込まれるのを待つ

申請をしたらあとは出産手当金が振り込まれるのを待つだけです。とはいってもすぐに振り込まれるわけではなく、保険組合や申請した時期にもよりますが、申請してから2週間〜2ヶ月程度かかります。出産日から考えると早くても2ヶ月後となりますので、出産前後で必要な費用は手元に残しておくようにしてください。一括申請の場合は産後56日後からの申請になるので、もし少しでも早く必要ということでしたら2回申請にして産前の分を先に申請してください。 また会社の方で申請してもらう場合、担当の方が早めに申請をしてくれるかどうかでも受け取りのタイミングが変わるので、早めに受給したい方は担当の方になるべく早く申請してほしいということを伝えておいた方がよいでしょう。 申請は産後56日から(退職・もしくは産休に入った日から)2年後まで申請できますので、申請し忘れた方や条件を満たしているのに申請をしなかった方は2年以内でしたら元職場に申請できるか確認してください。

退職後の保険はどうなるか

出産手当金の受給期間中は扶養には入れない

旦那さんの扶養に入れるかどうかは出産手当金の金額で決まります。出産手当金は出産で働けない間の給料の保障ですので、収入と同じ扱いです。扶養に入るためには年収130万円以下でなくてはなりませんので、130万円を1日当たりの金額に換算して、手当金の1日当たりの金額が上回った場合は扶養に入れません。しかし、保険組合によっては年収130万円以上でも扶養として加入できる場合がありますので、旦那さんに言って会社の方に確認してもらいましょう。 年収130万円は1日当たりの金額のすると3,612円になります。出産手当金の1日当たりの支給額は「平均月収÷30÷2/3」なので、逆算すると退職前にもらっていた給料の平均が162,540円以下の方は扶養に入ることができます。 【扶養に入れる方】 130万円÷12ヶ月÷30日=3,612円  出産手当金日給3,612円以下 3,612円×30日×3/2=162,540円  退職前の平均月収162,540円以下 平均月収=出産手当金の支給開始日以前の継続した12ヶ月間の総支給額の平均。基本給だけでなく、交通費や賞与など支給されたすべてを含む。

健康保険の任意継続をするか国民健康保険へ加入する

支給額が日給3,612円を超えるようであれば、旦那さんの扶養にはいることができませんので他の保険に加入をしなければいけません。元々加入していた健康保険の任意継続をするか、国民保険に加入することになります。保険の金額や手続き方法などわからないこともあると思いますので、健康保険の任意継続は会社の担当者に、国民健康保険は各市町村の健康保険課に相談をしてください。 扶養に入れないといっても出産手当金の支給期間内だけですので、期間が終わったらすぐに扶養に入れます。支給期間が終わる前に旦那さんの会社で必要な書類をもらっておきましょう。その他にも必要な書類がいくつかありますが、これから入る保険組合によって違いますので、その組合に聞いてみたりホームページをみたりして確認してください。  

退職後に手当金をもらうなら退職日を計画的に決めよう

これを読むまで産休を取らないと手当金が受給できないと思っていた方も多かったのではないでしょうか。退職しても受給はできますが、退職日を期間中にするなど条件がありますので、確認をして退職までに条件を満たしておく必要があります。退職日を決める際は引き継ぎなどの会社側の都合もあるので担当の方としっかりと相談をした上で決めましょう。退職後も申請書類を用意したりなどありますので、病院で証明をもらうこと・申請書類を提出することを忘れないように気を付けて、出産に備えてください。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。